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舞台設定

【画像】夜の上海摩天楼 舞台は近未来の上海
21世紀初頭におけるサイバネティクス技術の実用化により、人は肉体を機械化することで、いとも容易に超人的な体機能を身につけられるようになった。
そのため、テクノロジーの爛熟によって退廃した犯罪都市では、凶悪無双なサイボーグ達が跋扈していた。

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内家と外家

古来、中国武術の大系は大別して二つに分けられる。

【画像】外功  【画像】内功

ひとつは『外功』と呼ばれる外家功夫。型や技法の修練に重きを置き、筋肉や皮膚など人体外部の諸要素を鍛え抜く武術。
もうひとつは『内功』と呼ばれる内家功夫。外功の“剛”に対する“柔”であり、力に対する心気の技である。体内の氣が生み出すエネルギー“内勁”を駆使することにより、軽く触れただけで相手を跳ね飛ばしたり、武器の鋭利さを増したり、五感を極限まで研ぎ澄ましたりといった超人的な技を発揮するほか、掌法と呼ばれる手技により、掌から発散する内勁によって敵にダメージを与えたり治癒能力を発揮したりもする。
内家功夫は外家功夫より修得が難しく、その深奥に触れうるのはごく一握りの者しかいない。だがその反面、内家の達人が発揮する神秘の技の数々は、外家拳士では到底太刀打ちできるものではない。
両派はこうして、数と力のバランスで均衡を保ってきた。

【画像】サイバネティクス技術による肉体強化 その均衡を打ち破ったのが、21世紀初頭におけるサイバネティクス技術の実用化である。肉体を機械化することで、いとも容易く超人的な体機能を身につけられるようになった外家拳士たちは、それまで縛られていた肉体的限界という枷から一気に解き放たれた。
そんな外家拳士たちに対し、厳しい修練を耐え抜いた者しか会得できない内家功夫は、もはや拮抗する勢力たり得なかった。内家拳士が氣を運行する上では、生身の肉体に備わった“経絡”が必要になる。彼らにサイボーグ化という選択肢はなかったのである。
こうして内家功夫は廃れ、武林の趨勢は一気に外家功夫へと傾くようになった。

【画像】電磁発勁 だがしかし内家功夫の一派もまた、新たな脅威に対する新たな秘術を編み出しつつあった。
それが『電磁発勁』、対サイボーグ気功術である。体内の氣の運行によって瞬間的に電磁パルス(EMP)を発生させ、それを掌力として解き放つ。電子デバイスの内部回路に電磁誘導を引き起こして瞬時に破壊してしまうこの技は、むろんサイボーグのボディに対しても一撃必殺の威力を発揮する。
使い手の肉体に過度な負担をかけるため禁術とされた技ではあるが、生身の人間がサイボーグに対抗しうる唯一の武術でもあった。

崩れた両派のバランスに再び変化が起き始めていた。

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禁断の技術「魂魄転写」

【画像】「魂魄転写」実験 間の脳内に蓄えられている情報信号を搾り出し、ガイノイドの有機メモリなどの記憶装置に転写する技術。電脳刑法における最大の禁忌とされる。
転写には、生き地獄ともいうべき苦痛と深刻な脳へのダメージが伴い、繰り返せば廃人化も免れない。さらに、100%転写すれば、脳細胞の最期の一片に至るまでが壊死し、転写元の人間は死に至る。

【画像】ガイノイド 有機メモリに転写された非合法ガイノイドは、プログラム演算では表現できない人間味を醸し出すようになるため、一部の性倒錯者から絶大な人気を博しており、ブラックマーケットでは法外な価格で取引される。
その為、人買いや誘拐の末、闇医者たちのラボに消えた者は多く、また、貧窮のため自ら脳細胞を切り売りするような者も現れている。

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